玄関の土間に入ると、「ただいま~」と思わず言いたくなるような昭和レトロな佇まいの「犬鳴温泉センター」。
田舎の実家へ帰ってきたような気分にさせてくれる、おふくろの味が魅力のランチ付日帰り温泉と自然豊かな広い庭園がおすすめ♪
「周辺の温泉施設と違って、犬鳴温泉センターの犬鳴に『山』がつかないのは商標登録しているからなんですよ」と教えてくれたのは女将さんの上野恭子(やすこ)さん2代目。
道なりにある「犬鳴温泉センター」と書かれた看板、観光案内所?と躊躇したが、敷地内の奥に見える大きな木の看板と間口の広い玄関、昭和の佇まいを感じる建物。
開業したのは、昭和52年(西暦1977年)。
当時、初代が名付けたこの温泉施設の名称に「センター」と入るのは、施設の特徴によるところかと思われる。
敷地は1500坪、本館と別館、温泉浴場の建物と広い日本庭園があり、日本庭園内には、お茶室のような趣のある離れ個室5棟(雲仙、別府、有馬、草津、白浜)が点在するロッジ風の休憩所を有している。
建築家だった初代が、元飲食店の建物(現別館)と共に周辺の山を購入。
山を開拓し整備した土地に、玄関のある本館、温泉浴場と日本庭園、そして庭園内に個室棟を建築。
そして、元あった建物を別館とし、4つの建物で構成されている。※別館は後に増築、リフォーム。
初代は他にはない、これらの施設を表現するために「犬鳴温泉センター」と命名したのだろう。
開業から10年後、和歌山県より嫁いできた義理の娘、現在の女将、恭子(やすこ)さんが、
引き継ぎ、別館と休憩所の離れ個室2棟(草津と白浜)をリフォームし、宿泊もできるようにして約30年が経つそうだ。
義犬伝説に出てくる紀州犬リリーちゃん(女の子)がお出迎え♪
リリーちゃんは犬鳴に伝わる義犬伝説のモデル犬種と言われる「紀州犬」だ。
数年前まではお客様をお不動さんまで案内していたそう。
現在14才で、人間にたとえると約70才。今は、お不動さんへの案内役は引退したそうだが、毎朝5時頃目覚め散歩、午前7時~8時に戻り、ひと眠りするのが日課。
そして女将さんと、9時のオープンに合わせてお客様のお出迎えのため玄関でスタンバイ?しているそうだ。
「リリーちゃんと私は同志なんです。いつも一緒に頑張ろうね、と声をかけているんですよ」と女将さんが楽しそうにリリーちゃんに微笑んでいた。
「りりーは13頭の子どもを出産したんです。白くてコロコロ可愛いかったから次々お客様に引き取られて、最後の1頭は、ここにいて欲しかったんですけど、裕福な方に引き取られて、、、幸せにしてくれるかなぁ」と当時を懐かしみながら、しみじみと語ってくれた。
欄間のある昭和の懐かしさを感じる本館の大広間
コロナ禍前は、だんじりの時期になると青年団が毎年利用していたという98畳の大広間では
昔は、大衆演劇や結婚式、披露宴やカラオケ大会も行われたそうで、必要があれば女将さんが司会を担当したというから驚く。
どうりでお話上手。要望があれば観光客に不動口など泉佐野の観光名所の説明をするそうですよ。
真横に犬鳴川の流れを感じながら大広間で「おふくろの味」を堪能♪
取材に訪れた初夏は、川面の上を走る風と木々の間から通り抜ける風が部屋の中に取り込まれるようで、なんだか心地よく安らかな気持ちに。
是非、食事と一緒に豊かな自然の風も味わって欲しい。
そして、お楽しみのランチは、女将さんが作る美味しい出汁をベースにした「おふくろの味」と好評のお料理♪♪
お食事のみや温泉のみも利用できるが、温泉付ランチコースは2,275円(入湯税・消費税込)が、お得!!
献立は、鍋コース(ボタン鍋・鴨鍋など)、肉の陶板焼き(地元ブランドの犬鳴ポークや牛肉など)、釜飯御膳、鮎の塩焼き定食などを提供している。 ※食事だけなら1,650円消費税込
コースにセットされている暑い時期の、のど越しのよい素麺、秋から春先なら同じ出汁を使った茶碗蒸しは、是非堪能して欲しい。
犬鳴川が横に流れる日本庭園へ、是非、足を踏み入れて欲しい♪
「毎朝、6時に起床して施設内の掃除や庭の手入れ、買い出し、料理の仕込みを行い、お客様の接客まで、一人でなんでもやります」と、笑顔で話す女将さん。敷地内にある庭園の落ち葉など特に、秋は大変だそうだ。
女将さんの幼いころの夢は、なんと「旅館の女将だった」そうで、実現しているのも凄い。
1500坪もある施設を維持管理し、接客など全てに対応することに苦労はあるものの、活き活きと楽しそうにお話される。
犬鳴山の自然と溶け込んだ庭園で、風を感じ季節を感じてほしい
今は金魚を放流できるほど、きれいな犬鳴川が真横を流れているが、昔は汚れていたそうで女将さんは川をきれいにするために役所へ掛け合ったこともあるそう。
そんな川沿いの遊歩道を歩くと初夏はホタルやカジカガエルに出会える。自然の四季を感じながらゆっくり散策してみては?
石灯籠やお茶室のような建物が点在し、自然と調和された草木、苔など初夏の緑の世界が素敵な空間。
女将さんに「素敵ですね」と伝えたところ「落ち葉の季節は毎日掃除が大変で・・・」。
確かに、こんなに広い敷地をお一人で管理しているとは改めてすごいな~と感じました。
昭和へタイムスリップしたような趣のある別館
別館での宿泊できるお部屋は、現在3室、但し、1日1組限定で宿泊できる。
※コロナ禍以降、別館はお休み
数えきれないほどの素晴らしい「書」が飾られている別館
「初代は習字が上手で骨董品が趣味だったので、お部屋のあちこちに書などがあるんです。
小学校の卒業ですが英語・フランス語・ドイツ語も勉強していました。漢詩も習い、板・石・竹・に書をしたため、芸達者でしたね。風ぼうは白髪で180㎝の長身、羽織袴などを着こなし、品がある頭の良い素敵な紳士でした」と懐かしそうに尊敬と感謝の気持ちを一杯に語ってくれた。
初代が周辺の山を購入した際に、既にあった飲食店舗の建物を別館として再利用したそうだが、恭子(やすこ)さんへ代替わりした時に、リフォーム、増築などされ宿泊できるようにしたそう。
山々の景観と自然の明かりを取り入れた大きな窓の建具は、必見だ。
現在は別館の3部屋(勝浦・松の間・梅の間)のみで、1日1組で予約できる。(人数により部屋割り)
※コロナ禍以降、別館はお休み
え?火曜サスペンス劇場にも出演!?
女将さんが40歳ごろ、日本テレビ系列で2005年まで放送されていた火曜サスペンス劇場のドラマの舞台にこの犬鳴温泉センターは3度使用され、なんと女将役として出演もされたそう。
番組を見ていたリポーターが、廊下に飾られている 東ちづるさんや宅麻伸さん、桂小枝さんと、女将さんとのツーショット写真をまじまじと見ていると、「撮影クルーの受け入れは大変でした」と当時を振り返る女将さん。
確かに雰囲気のある建物なので火サス! にはぴったりかも。
また、関西の人気番組「おはよう朝日」の取材も受け3度出演したそうで、もしかしたら知らないうちに目にしているかも??
大浴場から庭園を眺めながら心身ともにリラックス
お料理も庭園も素晴らしいけど、やはり一番のオススメは泉質がいいところ。単純硫黄冷鉱泉で、冷え性やリューマチ、婦人病はもちろん「お肌すべすべになるね」と訪れたお客様から言われるそうだ。
トロっと濃度が濃い泉質で、温泉の温度が低めの適温なのでゆっくりつかって風呂上がりもポカポカ。温泉のみの入浴料は900円。昭和を思い出させてくれる日帰り温泉として、参拝の帰りに温泉で汗を流してはいかが♪
頭をなでてパワーをもらおう♪
パワースポット発見♪商売繁盛の神様「布袋尊(さん)」が女風呂の前に♪
ちなみに女将さんは、毎朝頭をなでているそうですよ。リポータもそれに習い、なぜなぜしました。
笑顔に出会っただけで「福」をもらった気がする隠れ「パワースポット」
訪れる価値あるかもよ♪
※無料送迎バスは要予約(団体または4名以上の宿泊、ランチコースをご予約の方)
ご案内
予約電話番号:072-459-7208
料金:温泉 大人900円 / 温泉付ランチコース2,275円
※いずれも入湯税・消費税込
・現在、宿泊はお休み中・
宿泊料金:(チェックイン15時/チェックアウト10時)
お1人様1泊2食・温泉付 平日9,680円 土日祝日10,890円 ※消費税込、入湯税別
おふくろの味を堪能できる豪華な会席をご提供
※再開時期はお電話で要確認